リバースモーゲージってどんな制度なの?
リバースモーゲージとは、自宅を担保に生活資金の融資を受け、死亡した時点で自宅を処分して元利合計を一括返済する方法です。
自宅を担保に老後資金を準備することができる方法で、欧米では一般に広く普及している制度です。「逆住宅ローン」と言われることもあり、日本でも注目されはじめている制度です。
資産に占める不動産の割合が高く、手持ちの金融資産があまりない人や、住宅ローンの返済などに追われて、老後資金が準備できなかった人にはとても有効な制度です。
お子さまに自宅を残したいと思われる方も多いと思います。しかし昨今の急速な核家族化の影響もあり、自宅を残してもあまり喜ばれないケースも増えてきています。お子さまに自宅を残すことにとらわれ過ぎないで、ご自身の老後生活を楽しむためにリバースモーゲージの活用を検討してみましょう。
リバースモーゲージを知らない方が73%!
まずは制度を理解しておきましょう。
内閣府の調べでは、現在の高齢者の半数以上が「資産はできるだけ子孫に残したい」と考えているそうですが、年々その割合は減ってきていて、代わりに「試算は自分の老後を豊かにするために活用したい」と思うようになってきています。
今後高齢者となる団塊の世代を中心とする世代は「子孫に遺産は残さない」と考える割合が34.5%にもなっています。
そのため今後リバースモーゲージへの関心は徐々に高まっていくことが予想されています。
リバースモーゲージの制度の現状は?
大きく「公的プラン」と「民間プラン」に分けられます。
(1)公的プラン - 地方自治体 - 利用はあまりない
日本でのリバースモーゲージは、もともと1981年に武蔵野市が導入した「福祉資金貸付制度」がはじまりです。これは単独のリバースモーゲージではなく武蔵野市福祉公社の有償在宅サービスとセットになっており、有償サービスの資金を不動産を保有する高齢者に対して貸し付けるしくみです。
現在では約20の地方自治体で類似の制度を行っています。自治体が直接融資する「直接融資方式」と、金融機関に融資をあっせんする「融資あっせん方式」の2通りの制度があります。
利用状況については、武蔵野市でも年間数件で、ほとんど利用されていない自治体も多いのが現状です。
(2)公的プラン - 厚生労働省 - 多く利用されている
2002年12月に厚生労働省は「長期生活支援資金貸付制度」をスタートしました。住民税非課税程度の低所得世帯が対象になります。
自己所有の居住不動産(マンションは対象外)を担保に、土地評価額の70%を上限に月額30万円までの生活資金を貸し付けます。元本・利子の返済は利用者の死亡時まで繰り延べられます。
利用状況については、もっとも利用されているリバースモーゲージの制度です。
(3)民間プラン
信託銀行や、銀行などの金融機関でもリバースモーゲージの商品があります。各金融機関によって商品の内容はさまざまなので、事前の確認が必要になります。
また、民間プランではほぼすべての商品でマンションを対象外としていますので、ご注意ください。
また、一部住宅メーカ(旭化成やトヨタホームなど)でも自社物件の保有者向けにリバースモーゲージを導入しはじめています。
ほとんどのリバースモーゲージでは、対象外に。
マンションを対象としているリバースモーゲージは、日本ではほとんどなく、武蔵野市などのごく一部の公的プランのみとなっています(融資限度額は戸建て住宅よりも低めに設定)。
民間プランはすべてが戸建て住宅を対象としており、マンションは対象外となっています。
なぜマンションは対象外になってしまうのか?
リバースモーゲージは最終的に債権を回収するために、売却をする必要があります。しかし、マンションでは更地にすることもできないし、建物が古くなればなるほど、価値が下がってしまいます。このためマンションはリバースモーゲージの対象外となってしまっているのが現状です。
ご自身の老後生活プランだけでなく
お子さまともしっかり話し合いましょう!
お子さまに財産を残したい。そう思うのが親心だと思います。しかし、お子さまからしてみたら、楽しく老後を過ごして欲しいと思っているに違いありません。
老後の生活資金をしっかり用意しておくのは、とても大変なことです。リバースモーゲージという制度を知っておいて、財産を今後どうするのかも視野に入れた新しい老後生活プランを検討しましょう。
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